わたしがツインと初めて一緒にみた、転生のものがたり。
あなたの中にもきっとあるものがたりを、体験してほしいと思うのです。
何度も体験してくださっているお客様は、
『どんな映画やドラマを観るより泣ける!』と、太鼓判を押してくださいます。
そうでしょう、そうでしょうとも!
なぜならば、これは『あなただけのものがたり』だからです。
寒い季節、
外に行かずともZoomひとうで体験できる、魂の壮大な旅、あなただけのものがたり。
添乗員資格をもつアカシックリーダー、庭崎いくがあなたの魂の旅にお供いたします。
ぜひ参加されてみてはいかがでしょうか?
催行はお一人様からです。
それでは、
はじまり、はじまり〜♪
あ、
またこっちを見てる…。
一年近く感じてきた気配を、私が間違えるはずがなかった。
ここは高い高い山の上にある、
「祈り」のためだけに作られた城。
インカの大王様が住んでいる都市はもうすこし離れたところ、太陽に近い高いところにあるんだけれど。
国の大切な教えや、
神様と繋がる方法、皆が暮らしていくために農作に必要な星の見方とか、大事なものは万が一、無くすことがないようにと、人里離れたこの山頂の神殿の奥で管理されていた。
貴族の子や才能のある子、
見た目が麗しい子などがここへ連れてこられては、様々な儀式を執り行うのを手伝ったり、神官の修行をしたりして過ごしていた。
またある時は、とても光栄なことに、その中から選ばれたものが直接神様への贈り物になることもあったりね…。
薬草を入れる籠を抱えながら小さな畑に出てきた神官見習いの私を、
何か作業をしている彼が、上の部屋から眺めているのだ。
ふと顔をあげると、
初めて彼と視線が交わった。
12の私よりいくつか年上なのだろうか?
着ている服が私とは違う。
そうか、
同じ山の中で聖なる鳥の置物(御守り)を作る職人さん達が作業していると、昔指導役に聞いたことがあった。
彼らの作った置物はここで祈りを込められ、麓の国中に売られていく。
きっと彼はその職人さんのひとりに違いない。
私は自分が笑顔になっていることに気がついた。
神殿以外の人に会うのは初めて!
でも、そんな彼と言葉を交わすようになるのはまだまだ当分先、
私が大人になった後、もっと先のことだった。
「下手くそだなぁ。」
彼が私が作った置物を見ていかにも楽しそうに笑う。
私はこの春で22歳になっていた。
自分では物凄く頑張って作ったつもりだったのだけれど、確かにお手本にもらった、彼の作ったものとはかけはなれた、別な代物のようだった。
大きな声を出さないようにと声を抑える変わりに、とうとう目の端から涙まで流している。
「あれだけちゃんとおしえたのに、君のやつは鳥っていうより蛙だよね。」
「もう、あなたの教え方が悪いんでしょ!」
真っ赤になって彼の手から奪おうとすると、彼は急に真面目な顔になって、「これは俺が貰ったものだから」と返してくれなかった。
身寄りがなかった子供の頃親方に貰われて来たという彼は、あまり話すことが得意ではなかった。
しかし、温かくて誠実な人柄と腕の確かさから、この年の若さですでに数人の弟子を抱え、麓の村と山頂の城を行き来するようになっている。
たまに城に泊まり、少しでも時間が出来ると、2人そっと外に出ては、ひとつの布にくるまって色んな話をした。
あの星が出てくると季節が変わるんだよとか、星にまつわる神話とか、
神殿で起こったたわいもない話を私が一方的に喋り、彼がただただ嬉しそうに笑って聞いてくれる。
単調な祈りの毎日の中で、この時間が自分にとっては何よりも待ち遠しいものとなっていた。
ふと、彼が重い口を開く。
「わるい病気がとてもはやっていて、沢山人がなくなっているんだ。
国中が大変なことになっている。」
毎日国のために祈りを捧げているとはいえ、外の世界を知らない私にとって、国中と言われてもその規模があまりピンと来なかったのだけど。
このひとがもし病気になってしまったら?
もしもう二度と会えなくなるとしたら…?
「それはとても恐ろしいことね…。」
口から出てきた言葉に、
一番びっくりしていたのは、もしかしたら自分だったのかもしれない。
ある時、
長老から内々に話があると呼び出された私は、大掛かりな病気平癒の祈祷をするようにと命令されて愕然とする。
自分の現在の役職ではありえない大抜擢だったからだ。
正直な話、
本職の巫女になろうとは思っていなかった。
自分にはそんな才能はないと思っていたし、もう少ししたら、職人の彼と一緒になって山を降りようとさえ思っていたのだ。
周りの人は多少反対するかもしれないけれど、前例がないわけでもなく、きっと貴族の血をひく私が強く願えば、すんなり通る我が儘だとも思っていた。
長老は静かに続ける。
これは城内一致の決定であること、
私にはその才能があると皆が思っていること。
もし神への祈りが届かないときは慣習通り、私自身が神への貢ぎ物になること。
巫女として祈祷をするということは、一生を神殿に捧げる契約と同じなのだということ。。
急にそんなこと言われてもなぁ…。
「泣いているの?」
いつからそこにいたのか、彼がもう寒いから、と言いながらいつものように布をかけてくれる。
自分は泣いて居たのか、と思う。
「こないだの病気の、祈祷をすることになってしまって…。」
そういうと、彼は少し悲しそうな顔をして頷いた。
「聞いたよ。」
「私、出来るかしら?」
「出来るとも。」
大きな手がぽんぽんと私の頭を撫でる。
いつもと変わらない、
降るような星空だった。
二人でいつまでも、この星空を眺めていられると思っていた。
こうなって初めて解ることもある。
ずっとずっと当たり前のことなんて、本当はどこにもないのだ。
「…私、あなたと結婚するものだと思っていた…。」
あなたの事が好きとか、
愛してるとかそんな気持ちを軽く通り越して、2人は離れることはないと勝手に思っていたのだ。
だって、初めて話したときから、
そうなると知っていたんだもの。
彼は何も言わずに、
ただただ、私の瞳の奥を見つめていた。
懐かしいような、
何度も何度も、生まれる度見て来たような彼の眼差しの奥にも、私と同じ気持ちを確かに見たと思ったのに。
「君は誰よりも頑張ってきたから、きっとみんなを助ける事ができるよ…。」
と、彼は言った。
「こうして2人で話ができるのは、僕の幸せだった。」
「…私は何にも出来ないただの人間よ…。」
「君なら出来る。」
「私は…。」
…あなたと、一緒になりたかったのよ。
そう言い掛けて言葉を呑み込んだのは、私が巫女でなくなったら、もしかして彼は私のことを好きじゃなくなってしまうのかもしれないな、と不安になったから。。
皆ができる家事や他のこと、
満足に出来ない私だから。
これからも沢山の弟子をとり、切り盛りしなければならない彼を支えることができないと思ったから。
彼の役に立つことができないかもしれない、と恐れたから。
一緒になっても、このひとを幸せにすることが出来ないかもしれない、と怖くなったから…。
「僕の心は、ずっと君のそばに…。」
幸いなことに、
儀式の結果かどうなのか、疫病は収束。
私はだんだんと出世し、責任の重い、けれど充実した日々を過ごして年を取っていくのだけれど。
いつでも、心の支えになっていたのは、「いつでもそばに」と言ってくれた彼の言葉と。
あのとき、お手本にくれた鳥の御守りと。
今でも遠く、麓の街で独りで暮らす彼の噂だった。
私の髪が真っ白になって、だいぶたったある日のこと。
若い巫女をそだてる立場になった私の耳に、彼が重い病で倒れたという話が入ってきた。
立ち上がった所までは覚えている。
だけど、どこをどう歩いて来たのか覚えていない。
とにかく、一刻も早く彼の元へ戻らなければならなかった。
横になっている彼はまだ息をしていて、私は恐る恐るその手を取った。
あれからもう何十年経ったのだろう?
お互いの皮膚はカサカサになり、まるで冷たくて薄い木の皮のようだった。
その手を自分の頬に当てると、
彼がうっすらと目を開いた。
「…夢を見ていたんだよ、君の…。」
「私が解るの?」
「…君が広場で大きな儀式をしていて…」
「ええ。」
「ああ、これでみんな助かる…って。建物の影から見ていたんだよ…。」
「そうだったの…。」
彼はあの儀式も、きちんと遠くから見守っていてくれたのか。
ふと枕元に目をやると。
真っ黒になった握り拳位の大きさの何かを見つけた。
目を凝らして良くみると、それは、あのとき私が作った、蛙になってしまった置物だった。
自分の目からぱたぱたと流れ落ちる涙が、冷たくて暖かい。
「…僕は、何にも役に立てなかったから…。」
私は首を横に振る。
「何も…。だから次会うときは、君の役に立つから…。」
ううん、
ううん、
と首を横に振った。
私も、
私も同じ…。
次もし会えるなら、あなたの役に立てるようになりたい。
ううん、
ううん、
役に立っても立たなくても、
次もしあなたに会えるとしたら、
ただただ、ずっと一緒に、星を見ていたいのだ。。
「…僕のために、来てくれたんだね…。」
そういうと、
彼は本当に幸せそうにゆっくりと。心から満足したように最後の微笑みをうかべた…。
そして、生まれてから40年の月日をかけ、
信じられないニアミスを鬼のように繰り返し、やっと出会った二人だったのですが・・。
ふたりともまた「やくわり」を気にしすぎて、お互いを上手に愛することができなかったのです。
サイレント期間、
なんて言葉も聞く昨今ですが、
「依存ではない愛し方」。
子供の頃に身に着けてしまった、「嫌われないための戦略」からではない愛し方。
本当に人を大事にするやり方といいますか、
今生のじぶんとして、
人を最高最善に愛するということを知るために、試練として大きなイベントを仕組んできます。
ツインソウル、
ツインレイ。
どちらかのやりたいことに、
もう片方は思い切り巻き込まれていくのです。
ロマンチックなものだけではない、
激烈な魂の学びである気がします。
そのあとですか?
それはまた、別の機会に。
今日この話が読みたくなったのは、きっと魚座新月のせいだと思います。